効果がある遺言事項

20160901

こんにちは!

今回のテーマは『効果がある遺言事項』
です。

遺言書は書いたこと全てに法律的な効果が
あるわけではありません。

有効な遺言事項は法律によってきっちりと
決められています。

今回はそれら全17個を列挙して、簡単に解
説を加えたいと思います。

 

【効果がある遺言事項】
〇身分に関すること
推定相続人の廃除およびその取消
   ⇒ 遺言執行者だけができます。

認知
   ⇒ 遺言執行者だけができます。
     認知とは婚姻関係にない男女間
     の子を父親が「この子は私の子
     です」と認めることをいいます。

未成年後見(監督)人の指定
   ⇒ 未成年の子の最後の親権者は
     遺言によって、その子の後見人
     ならびに後見監督人を指定する
     ことができます。

 

〇財産に関すること
相続分の指定、指定の委託
   ⇒ 相続財産の分割の割合を相続人
     ごとに指定することができます。
     また、第三者に分割の割合を決
     めてもらう委託をすることもで
     きます。

特別受益の持戻しの免除
   ⇒ 特別受益があった場合、本来
     なら受益分を一度、相続財産に
     戻さなければなりませんが、そ
     れを免除させることができます。

遺産分割の禁止
   ⇒ 遺言者は相続開始の時から5年を
     超えない範囲で遺産分割を禁止
     することができます。

遺産分割方法の指定、指定の委託
   ⇒ 相続財産の分割方法を指定する
     ことができます。
     また、第三者に分割方法を決め
     てもらう委託をすることもでき
     ます。

相続人相互の担保責任の指定
   ⇒ 他人の土地を相続したり、相続
     した債権を満額回収できなかっ
     たりして、特定の相続人が損害
     を被った場合、他の相続人はそ
     の損害をカバーしなければなり
     ません。
     遺言者はそれらの損害のカバー
     の仕方を指定することができま
     す。

遺留分減殺方法の指定
   ⇒ 遺留分を侵害する割合で遺産を
     分割したとき、侵害された人は
     侵害した人に対して、遺留分減殺
     請求
をすることができます。
     本来は、侵害した人たちがその
     割合に応じて、侵害された人に
     弁済をしますが、それ以外の方
     法を遺言によって指定すること
     ができます。

遺贈
   ⇒ 相続財産を相続人以外の第三者
     に譲渡することができます。

信託の設定
   ⇒ 特定の者に対して、遺産を譲渡
     したり、処分権限を与えること
     で、一定の目的に従い、その目
     的を達成させるために必要な遺
     産の管理や処分をさせることが
     できます。

財団法人設立のための寄付
   ⇒ 遺言者は遺言で一般財団法人を
     設立させる意思表示をすること
     ができます。
     遺産を財団を通して、世の中の
     役に立つように使ってほしいと
     いう場合に一般財団法人を設立
     して、その際に拠出する金額を
     明示します。

生命保険金受取人の変更
   ⇒ 遺言者は生命保険金の受取人を
     遺言によって変更することがで
     きます。

 

〇遺言の執行に関すること
遺言執行者の指定、指定の委託
   ⇒ 遺言執行者を指定することがで
     きます。
     また、第三者に遺言執行者を決
     めてもらう委託をすることもで
     きます。

遺言執行者の職務内容の指定
   ⇒ 遺言執行者が請け負う職務の
     内容を指定することができます。

 

〇その他
祭祀主宰者の指定
   ⇒ 仏壇や墓地に関することを受け
     継ぐ者を指定することができま
     す。
     後継者の指定は第一に遺言者の
     指定、第二に地方の習慣、第三
     に家庭裁判所の選任の順で決ま
     ります。

遺言の取消
   ⇒ すでに書いた遺言を別の遺言に
     よって取消することができます。

 

以上のことが遺言としての法律的な効果が
ある事項です。

これ以外のことで「書いてもいいけど効力
がないもの」も存在します。

次回はそれをテーマにしたいと思います。

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