相続税 計算問題②

20161027

こんにちは!

今回も前回と同様、具体例を使って、
相続税の税額を計算していきたいと
思います。

今回のポイントは、遺産分割が
法定相続分以外で行われた場合の
税額計算です。

それでは次の問題を一緒に考えて
いきましょう。

 

【問題】
被相続人:阿倍野太郎
相続人:妻:花子、長男:A太郎、次男:B次郎

財産一覧
・現金:600万円
・預金:1,800万円
・土地:5,000万円
・居宅:600万円

・葬式費用:200万円

遺言により、妻は土地と居宅
長男と次男は現金と預金を同じ
割合で相続したとする。

それでは下記リンクの税額計算の
流れにしたがって、各相続人の
相続税額を求めていきたいと思います。
相続税計算の流れ

 

1.すべての財産の評価を出す
「プラスの財産」:8,000万円
(内訳)
現金:600万円 + 預金:1,800万円 +
土地:5,000万円 +居宅:600万円

「マイナスの財産」:200万円
(内訳)
葬式費用:200万円

「全財産の総額」:7,800万円
プラス:8,000万円 - マイナス:200万円

 

2.基礎控除を引き算
基礎控除額を求める公式
3,000万円+(600万円 × 法定相続人数)
を使います。

今回は法定相続人の数が3人ですので
3,000万円+(600万円 × 3人)= 4,800万円
が基礎控除額となり、これを全財産の
総額から差し引きます。

7,800万円 - 4,800万円 = 3,000万円

 

3.法定相続分で仮分割
2で求めた3,000万円を法定相続分で
按分します。

この問題での法定相続分は
妻:2分の1 長男:4分の1 次男:4分の1
ですので、それぞれ金額に換算すると
妻:1,500万、長男:750万、次男:750万
となります。

 

4.相続人それぞれの税額を算出
次に税率と控除額を使って各相続人の
相続税額を計算します。


1,500万円 × 15% - 50万円 = 175万円
長男
750万円 × 10% = 75万円
次男
750万円 × 10% = 75万円
となります。

 

5.相続税の総額を算出
4で求めた3人の相続税額を足し算します。

175万 + 75万 + 75万 = 325万円

 

6.相続税を各相続人に割り当てる
各相続人が取得した遺産の割合に応じて
相続税を割り当てます。

今回の取得金額は
妻:5,600万 長男:1,200万 次男:1,200万
で、8,000万円から割合換算すると
妻:70%、長男:15% 次男:15%
となります。

この割合で相続税総額の325万円を
割り当てると
妻:227万5,000円
長男:48万7,500円
次男:48万7,500円
となります。

 

7.控除、加算をする
妻の遺産の取得割合が法定相続分を
越えましたが、配偶者控除の上限の
1億6,000万円までに収まっています
ので、配偶者控除が適用され、妻が
納付する相続税はゼロとなります。

長男と次男においては控除も加算も
されません。

 

8.納付税額確定
以上の結果、各相続人が納付すべき
相続税の金額は次のようになります。

妻:0円
長男:48万7,500円
次男:48万7,500円

 

お分かりいただけたでしょうか?

計算する回数は多いですが、
一つ一つの手順を確認しながら
最後まで諦めずに頑張ってください

 

次回からは実際の納税について
紹介していきたいと思います。

大阪・阿倍野区、天王寺区、上西司法書士事務所(大阪府下出張無料)