土地の評価の補正(不整形地補正)

20161013

こんにちは!

今回は『不整形地補正』について
解説したいと思います。

この補正はいろいろなパターンが
存在するのですが、ここでは最も
オーソドックスなパターンを紹介
していきたいと思います。

 

【不整形地補正とは】
土地の形が正方形や長方形ではない
場合に適用される補正です。

土地はキレイな四角形が最も利便性が
高いと評価され、たとえば「ひし形」
のような変形した四角形の土地は、
評価が低くなると考えられます。

不整形地補正の考え方は、
「もし土地がキレイな四角形だったら」
という前提で、架空の境界線を引きます。
これを「想定整形地」といいます。

そして、「想定整形地」から実際の敷地を
切り取ると、余った部分がでてくると思い
ます。

この余った部分を「かげ地」といい、
「想定整形地」に対して「かげ地」の
割合が高ければ高いほど、土地の評価は
低くなります。

 

【不整形地補正率を調べる】
不整形地補正率は次の3つの要素に
よって決定します。

1.地区区分
2.地積
3.かげ地の割合

この補正率も国税庁のホームページで
調べることができます。
国税庁ホームページ

上記リンク先の
「付表4 地積区分表」
「付表5 不整形地補正率表」
をご覧ください。

まず、付表4をご覧いただき、土地の
地区区分と地積から、地積区分が
A、B、Cのどれに該当するかを
確認します。

つぎに付表5をご覧いただき、
先ほど調べた地積区分と「かげ地割合」
から、補正率を探します。

 

【評価方法】
では例題を使いながら、次の土地の
評価を計算してみましょう。

・普通住宅地区
・東西:20m、南北:20mのひし形
・かげ地割合は33%
・路線価:100千円

1.まずは地積区分を確認
地積は20m × 20m = 400㎡で、
普通住宅地区ですので、地積区分は
「A」になります。

2.つぎに補正率を求める
「普通住宅地区 A」、かげ地割合33%
ですので、補正率は0.90となります。

3.㎡単価を算出
毎度おなじみの計算式
「路線価 × 奥行価格補正率 × 補正率」
で土地の㎡単価を算出します。

100千円×1.00×0.90=90千円
これがこの土地の㎡単価になります。

4.土地全体の評価を算出
最後に㎡単価に地積を掛け合わせて
全体の評価額を算出しましょう。

90千円 × 400㎡ = 36,000,000円

 

【まとめ】
不整形地は本当にいろいろなパターンが
あります。
(正方形や長方形以外の土地は全部
不整形地と思っていただいてOKです)

土地の形状がどれだけ歪(いびつ)でも
基本的な考え方は上記のとおりです。

最も難しいところは「想定整形地」を
どのように作るかというところでは
ないでしょうか。

あまりにも複雑な形状をしている
土地の場合は、不動産鑑定士さんに
相談してみるといいかもしれません。

 

次回は『その他の補正』について
お届けします。

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