土地の評価の補正(二方路線影響)

20161005

こんにちは!

今回のテーマは『二方路線影響』です。

こちらも『側方路線影響』と同様、
土地の評価が通常よりも高くなる
ケースです。

それでは早速みていきましょう。

 

【二方路線影響とは】
土地の正面と裏面が道路に面している
土地に適用されます。
つまり、土地が道路と道路に挟まれて
いるような状況です。

やはり土地の2面が道路に面している
という点では通常よりも利便性が高く
なるという考えに基づいています。

「二方路線影響」も「側方路線影響」同様、
土地が面している2本の道路のうち、
「路線価 × 奥行補正率」の結果が高い方を
「正面路線」、もう一方を「裏面路線」といいます。

 

【二方路線影響の加算率】
これも国税庁のホームページで調べる
ことができます。
国税庁ホームページ

上記リンクをクリックしていただき
「付票3 二方路線影響加算率表」を
ご覧ください。
この表に書かれている0.02~0.07が
加算率になります。

 

【評価方法】
実際に例題を使いながら、次の土地の
評価を計算してみましょう。

・「普通住宅地区」にある土地
・一方が路線価150千円の道路に面しており
 奥行は30m
・もう一方が路線価100千円の道路に面して
 奥行は20m

 

1.まず「正面路線」を決める
「正面路線」は「路線価 × 奥行補正率」の
高い方になります。
今回のケースで2つの路線を比較すると
150千円 × 0.96 = 144千円
100千円 × 1.00 = 100千円 となり、
150千円の道路に面している方が「正面路線」
100千円の道路に面している方が「裏面路線」
となります。

2.「二方路線」の加算額を計算する
「二方路線」の加算額は
「路線価 × 奥行価格補正率 × 加算率」
で算出することができます。

上記の例に当てはめてみると
100千円 × 1.00 × 0.02 = 2千円
となり、これが土地の評価を高くする
「加算額」となります。

3.土地の㎡単価を算出する
1で計算した「正面路線」の㎡単価に
2で計算した「加算額」をプラスします。

144千円 + 2千円 = 146千円

これがこの土地の㎡単価となります。

4.土地全体の評価額を算出する
最後に3で出した㎡単価に土地の面積を
掛け合わせて全体の評価額を出します。

146千円 × 30m × 20m = 87,600,000円

これがこの土地全体の評価額です。

 

【まとめ】
「2面の道路に接している」といえば
「側方路線影響」も「二方路線影響」も
同じことになりますが、加算率を比べて
みると角地の方が、正面と裏面で挟まれ
ている土地よりも加算率が高く、利便性
が高いと判断されることになります。
(国税庁のホームページの「付票2」と
「付票3」を比べてください)

 

次回は、土地の三方もしくは四方が道路に
面している土地の評価方法を紹介します。

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