遺言能力

20160824

こんにちは

さて、今回のテーマは『遺言能力』です。

これは「有効な遺言を書く能力」のことを
意味しています。

 

【遺言能力とは】
遺言には被相続人の財産や権利、身分に
関する法律関係など、極めて重要な内容
を書くことになります。

したがって、遺言を書く遺言者には自分が
書いた内容をしっかりと理解し、判断でき
るだけの能力が求められます。

この「ものごとを判断する能力」のことを
“意思能力”といい、特に遺言に関する場面
では“遺言能力”といいます。

 

【遺言を書くことができる人】
年齢
遺言は満15歳に達していれば、単独で書く
ことができます。

“単独で”と書いた理由は、通常、未成年者
が契約などの法律行為を行うときは親権者
などの法定代理人の同意が必要となります
が、遺言についてはその同意が不要である
ためです。

成年被後見人
成年被後見人は常に判断能力を欠くことが
前提となっている制度ですので、原則として
一人で法律行為はできません。
ただし、一時的に意思能力が回復している
といった場合には、2人以上の医師により
意思能力の回復を証明することができれば、
遺言をすることができます。

被補佐人、被補助人
被補佐人や被補助人はともに単独で遺言を
することができます。
この場合、補佐人や補助人の同意を得る必
要はありません。

 

【遺言能力の有無の基準】
遺言能力は「遺言をするとき」に必要で、
もし遺言をしたあとに認知症などでその
能力を失ったとしても、遺言が当然に無効
となることはありません。

しかし、遺言をするときに遺言能力がない
人が書いた遺言は無効となります。
せっかく遺言を書いても、その意思が反映
されなくなってしまいますので、遺言能力
がある間に有効な遺言を作成されることを
オススメします。

 

★今回のポイント★
1.遺言を書くためには、遺言の内容を
  理解、判断できる遺言能力が必要
2.遺言は満15歳に達していれば、単独で
  書くことができる
3.成年被後見人は原則として、遺言を
  書くことができない
4.被補佐人、被補助人は原則として単独
  で遺言を書くことができる
5.遺言能力は遺言をする時を基準にその
  有無を判断する

 

次回は『遺言の種類』についてお届けします。

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