相続権の放棄

20160712

こんにちは!

ここ大阪も先週から、夏の甲子園の予選大会
が始まりました。

球児たちのアツい夏がやってきますねー

 

さて、今回のテーマは『相続の放棄』です。

これまで、このブログでも何度か「相続権」
という言葉を使ってきましたが、文字通り、
相続というのは相続人に認められた「権利」
です。

前回のブログにも書きましたが、権利は放棄
することができます。
つまり「相続権」も放棄することができます。

では、相続権の放棄について具体的にみて
いきましょう。

 

【相続放棄の意味】
まず相続する財産には、現金や不動産という
「プラスの財産」と、借金のような「マイナ
スの財産」があります。

相続の世界では、原則としてプラスの財産も
マイナスの財産も「全部相続する」か
「全部放棄する」しかありません。
(「限定承認」という方法もありますが
これは改めて紹介します)

このブログでいう相続の放棄とは相続を
「全部放棄する」ことと理解してください。

 

【相続放棄の方法】
家庭裁判所に申し出なければなりません。

相続権は法律できっちりと定められた権利
ですので、勝手に放棄することはできません。

裁判所で申出が受理されると、相続放棄の
効力が生まれます。

この裁判所への申出は必ず受理されるかと
いうと、そういう訳ではありません。

しかも、かなり手間と時間がかかります。
相続放棄の流れ

相続放棄の申出は、一度却下されると2回目
の申出はできませんので、放棄をお考えの
方は、事前にお近くの司法書士に相談くだ
さい。

 

【相続放棄申出の期間】
「相続開始を知った時から3ヶ月」です。

これは、相続をするかしないかを考える、
いわゆる熟慮期間といわれており、この
期間内に判断しなければなりません。

ポイントは「知った時から」です。
何をもって「知った時」というのかは個別の
事情によって判断されるべきで具体的な要件
は決まっていません。

 

【相続放棄した人の扱い】
相続を放棄した人は、
「はじめから相続人ではなかった」として
扱われます。

すなわち、相続の放棄をした人は遺産の分割
において、一切の意見を言える立場でもなく
なります。

相続の放棄は慎重に考えてください。

 

【代襲相続の可否】
本来の相続人が相続権を放棄した場合、
代襲相続は認められていません。
代襲相続

また、たとえば第一順位の人全員が相続を
放棄した場合、血族相続人の枠は第二順位
の人に移ります。

この話は、相続税の計算のときに少し関係
してきますので、頭の片隅にでも置いてお
いてください。

 

★今回のポイント★
1.相続権の放棄とは、遺産の相続をすべて
  放棄すること
2.相続権の放棄は家庭裁判所に申し立てる
  方法をとる
3.相続放棄の申立期間は、相続があったこ
  とを知ってから3ヶ月以内
4.相続放棄をした人は
  「はじめから相続人でない」と扱われる
5.相続放棄をした人の代襲相続は不可

 

次回は『限定承認』についてお届けします。

大阪・阿倍野区、天王寺区、上西司法書士事務所(大阪府下出張無料)